シャドウェルのフクム(牡6)が現役を引退してダーレージャパンスタリオンでスタッドインすることが決定しました。
昨年のエプソムのコロネーションカップではパイルドライヴァーに4.1/4馬身の差をつけて優勝し、5歳でG1初制覇🏆今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでは抜け出したウエストオーバーを外から強襲し、アタマ差叩き合いを制して2つ目のG1タイトルを獲得しました。最後の出走となった今年の凱旋門賞ではエースインパクトの9着に敗れています。得意なのはクラシックディスタンスというThe・欧州馬という馬ですね。こういうタイプの馬が日本に輸入されるのは久々な気がしますね。
というのもやはり日本の馬場とは合わないことが多いからですね。ちゃんと活躍してるのは最近だとハービンジャー位ですかね🤔?父はシーザスターズということで、日本ではほとんど産駒が走っていませんが、ガリレオの半弟になります。ウオゥカの仔であるタニノアーバンシーやOPクラスまで勝ち上がったエンジニアという馬がいる程度です。
シャドウェルの自家製産馬で、母のAghareedはリステッド勝ち、祖母のLahudoodは米国のBCフィリー&メアターフ、フラワーボール招待SとG1を勝っています。さらに遡るとHight of Fashionはエリザベス女王の持ち馬でシャドウェルでもっとも成功を収めている血脈になります。そしてなんといっても全弟が欧州最強マイラーで2022年にレーティング135を獲得したバーイード(Baaeed)ということがこの種牡馬入りを大きく後押ししたと思います。全く同じ血統ながらバーイードは3歳時にマイルG1を2勝。4歳時にはロッキンジS、クイーンアンS、サセックスSとマイルG1を立て続けに制覇してマイルG1を5連勝とこの路線の欧州最強馬となりました。その後距離を伸ばした英インターナショナルSでも勝利。10戦10勝となりましたが、引退レースとなった英チャンピオンSでは4着に敗退してしまい、有終の美を飾ることはできませんでした。
ただこれはあくまでバーイードの話。ブラックタイドとディープインパクトとように全兄弟であっても全くタイプの異なる競走馬、種牡馬になるのが定めとも言えます。
個人的にはフクムが2022年のドバイシーマクラシックでに7着に敗退している点は気になりますね。シャフリヤールとの着差はそこまでありませんでしたが、日本のスピード競馬に対応する能力を秘めているのであればもう少し上位に絡んできてもよかったかな?ただ展開的にも前に行ったオーソリティが絶妙なペースを作ったので向かなかったといえばそうなのかもしれません。実際に前哨戦のドバイシティオブゴールドは勝利していますからね。もちろんメンバーレベルは落ちますが…
産駒デビューは2027年になると思いますが、ダーレーの馬ということで日高系のクラブでは募集があるかと思います。できればユニオンでも募集して欲しいところですが、ゴリゴリの芝向きの種牡馬がどこまで需要があるのか?というところが問題ですし、日本で生き残ることを考えるとダート適性が見出せた方が良いかもしれませんね。
一応シャドウェルのコメントではシャドウェルから優秀な繁殖牝馬を日本に種付けしに送り込むこともあるかもしれない。それだけ高い評価を得ている馬だというコメントがあります。そう考えると日本より先に欧州の地で産駒の活躍が見られるのかもしれませんね。
競馬四季報 2023年 10月号 [雑誌] 価格:3500円 |