今年のスーパー未勝利の勝ち馬たち【東サラ勢が2頭ラストチャンスをものにする】

  • 2024年9月7日
  • 競馬

今年ラストの3歳未勝利戦が8/31、9/1と新潟、中京、札幌の3場で開催されました。台風の影響であいにくの馬場となってしまいましたが、今年も17レースで18頭がラストチャンスをものにしました。

8/31

新潟 3R ダ1,200m サラフォーコン(牝3/大和田) 戸崎騎手

ハナを奪うと最後まで他馬を寄せ付けず。最後は3馬身突き放してのゴールとなりました。3歳5月にデビューして東京のダート1,600mで14番人気2着。その後7着→2着で4戦目での勝ち上がりとなりました。

父アグニシャイン 母ディープスタイル(母父ディープブリランテ)という血統の新ひだか町の本桐牧場生産馬。父アグニシャインは現役時代JRA4戦1勝と全く目立たない成績ですが、3代母ウインドインハーヘアで2代母がレディブロンド。レイデオロが近親にいるという血統です。世代で1頭しかJRAで走っていませんが、その唯一の1頭サラフォーコンが勝ち上がり、これが産駒のJRA初勝利となりました。

新潟6R 芝1,600m マンウォル(牝3/菊沢) 菊沢騎手

3番手の内を進むと直線は真ん中に持ち出し同枠のコキーヌとの競り合いを制してゴール。3歳1月にデビューして中山ダート1,200m戦で2着。2走前から芝に矛先を変えて8戦目での勝ち上がりとなりました。

父ブリックスアンドモルタル 母パワースポット(母父スズカマンボ)という血統の新ひだか町のグランド牧場生産馬。母はTCK女王盃2着、京都牝馬Sなど牝馬限定の芝のG3での3着が3度あるという馬。2015年のエリザベス女王杯にも出走しています。半兄ゴダイリキはJRAのダートで3勝したのち、現在は南関東所属。なかなかの血統馬ですね✨

新潟7R 芝1,800m フォティーゾ(牡3/宮田) 北村宏騎手

芝中距離のレースということもあり、クラブの馬が大挙。社台1頭、サンデー1頭、キャロット3頭、シルク1頭、ノルマン1頭が出走しましたが、中団後方からレースを進めて最後は大外から脚を伸ばしたフォティーゾが内から進出したリュケイオンとの叩き合いを制しました。3歳4月にデビューして東京芝2,000mで9着。次走は2着に入りましたが前走は今回と同じコース&距離で17着と大敗を喫していましたが4戦目で勝ち上がりとなりました。

父キズナ 母スキア(母父Motivator)という血統の社台F生産馬で社台RHで4,000万円で募集された本馬。何と言っても半兄が皐月賞馬ソールオリエンスで3/4同血の半兄は富士S勝ちでドバイターフ2着のヴァンドギャルドという超良血馬。3着以下は突き放していましたし、今後が楽しみになりそうな1頭です。

中京3R ダ1,200m ブライトルピナス(牝3/杉山晴) 吉村騎手

ハナを切ると減量の吉村騎手の力を最大限に活かしてそのまま逃げ切り勝ち。3歳3月に阪神ダート1,400m戦でデビューするも11着に敗退。その後2着、3着を経験しながらも7戦目での勝ち上がりとなりました。

父サンダースノー 母テンシンランマン(母父ハーツクライ)という血統の新ひだか町の岡田牧場生産馬。半兄のテーティーマクフィはJRA4勝で現在はダートのOPクラスで好走を続けており、OPクラスでも2着3回、3着1回と結果を残しています。聞いたことのある母だと思ったら1つ下のガイラルディアはユニオンの募集馬でした。

中京4R 芝1,400m レッドエヴァンス(牡3/音無) 団野騎手

中団前目からのレースで早めに先頭に立ちますがショウナンマリンがしぶとく、一度は抜かれますが、そこから差し返す根性を見せてクビ差の勝利。3歳1月に京都の芝1,600戦でデビュー。1,200m-1,400mを主戦場にすると成績が安定して2着2回、3着4回あり11戦目での勝ち上がりとなりました。

父ロードカナロア 母レッドアヴァンセ(母父ディープインパクト)という血統のノーザンファーム生産で東サラで7,600万円で募集されました。2代母エリモピクシーからは多くの活躍馬が輩出され、母も阪神牝馬S2着、ヴィクトリアマイル3着の実績馬。ここは勝ってもらはないと出資者の方々とすれば納得できないところでしたが、時間はかかりましたが勝ち上がりを決めました。この配合(ロードカナロア×ディープインパクト)はやはり芝1,400mが得意ですね。

中京7R 芝1,600m マルモア(牝3/松永幹) M.デムーロ騎手

ちょうど雨が強く降り続く時間帯で芝のレースながら馬場から水飛沫が上がるくらいの極悪の状態。そんな中、大外から差し切り勝ちを決めての勝利となりました。3歳1月にデビューして京都芝1,600mで4着。前走8/17の今回と同じ条件のレースでも4着でしたが3戦目での勝ち上がり。

父エピファネイア 母マーブルカテドラル(母父ダイワメジャー)という血統の社台F生産馬でインゼルで3,500万円で募集されました。母はG3アルテミスS勝ちを含むJRA3勝。2代母ヘルスウォールはチューリップ賞を勝っています。半兄グランオフィシエはリステッドのメトロポリタンSを勝つなど芝中長距離路線で活躍。本馬はサンデーのクロスを持ちながら、サドラーズウェルズ&フェアリーキングの全兄弟クロスも持っていて面白そうな血統構成です。

札幌3R 芝2,000m アラタマフェーヴル(牡3/浜田) 北村友騎手

ハナを奪って逃げ切りを計りますが、直線に入ると一旦2番手に後退。しかしながらそこから盛り返して、最後は4馬身の差をつける楽勝。2歳12月に阪神芝2,000mでデビューして3着に入るも、その後のダート戦では振るわず前走から芝に戻しての今回、6戦目での勝ち上がりとなりました。

父オルフェーヴル 母アラタマクリスエス(母父シンボリクリスエス)という血統の日高町の槙本牧場生産馬。3代母はJRAで1勝を挙げていて、小倉サマージャンプ2着のアラタマユニバースなどはいますが近親には目立った活躍馬なし。道悪馬場も味方につけることができたのかもしれませんね。

札幌4R ダ1,700m マクミランテソーロ(牡3/田中剛) 丹内騎手

1枠1番からの出走でハナを切るとそのまま突き放してゴール。3歳5月にデビューし、東京ダート1,400m戦で5着。その後も掲示板を外さない堅実な競馬を見せるも2着1回、3着1回はあるものの勝ちきれず。6戦目での勝ち上がりとなりました。

父レッドファルクス 母ダラステソーロ(母父Cairo Prince)という血統の日高町のリョーケンファーム生産馬。母系は北米血脈ですがなかなか見慣れない種牡馬の名前があったりと血統表の下1/4が特殊に見えますね。レッドファルクス産駒も苦戦が続くものの芝ダート兼用で使えるのはありがたいですね。

9/1

新潟3R ダ1,800m レッドアレグロ(牡3/木村哲) ルメール騎手

単勝1.4倍と圧倒的人気に推されましたが、不利の無いようにハナを取ると直線に入っても持ったまま。ノーステッキで8馬身差をつけての圧勝でした。2歳11月にデビューし東京芝1,600mで3着。年明けからダートを使われて2月、8月と2着続きでしたが4戦目で勝ち上がりとなりました。

父ロードカナロア 母スキャットレディビーダンシング(母父Scat Daddy)という血統の追分ファーム生産馬で東サラで6,000万円で募集された本馬。ここまで着差もほとんどない負けで悔しい思いを出資者の方々もしたと思いますが今回の勝利は今後にも希望の持てる内容でした。近親に種牡馬のNo Nay Neverがいる血統。高額募集の分類でしたがなんとか勝ち上がれて良かったですね。まさかダート中距離に適性があるとは思いませんでしたが。

そしてこの勝ち上がりの後に去勢することが発表!オープンまで行ける素質をキムテツ先生も感じているようですし、さらなる活躍が期待されます。

新潟4R 芝2,200m カラーオブジアース(牡3/上原佑) 荻野極騎手

人気薄ではありましたが先行すると直線で早めに先頭に立ちます。キャルベイクルーズに完全に交わされたように見えましたがそこから追い比べに持ち込むと最後はクビ差抜け出してゴール。2歳10月に東京の芝1,800m戦でデビューして7着。ここまで芝2,600m戦での2着が1度あるのが主だった成績でしたが11戦目での初勝利。

父キズナ 母アマルフィターナ(母父シンボリクリスエス)という血統の新ひだか町の平野牧場生産馬。2022年の北海道セレクションセールでは3,300万円と高額で取引されており、半兄ガゼボが4勝。ケイティーズ牝系の馬で叔母がスプリンターズS勝ちのスリープレスナイトという良血です。

新潟7R ダ1,200m バルサミコ(牝3/小手川) 菊沢騎手

2番手追走から早めに直線先頭に立つと最後は後続の猛追も寄せ付けず勝利。3歳1月に京都ダート1,200m戦でデビューして9着。地方なども経験するものの良いところを見せられませんでしたが、夏の新潟開催に入ってから3着→2着と結果を残して7戦目での勝ち上がりとなりました。

父オルフェーヴル 母サウンタ(母父Invincible Spirit)という血統の新ひだか町の坂本智広牧場生産馬。母の半姉はキャロットでもお馴染みのシンハリーズ。上の2頭は東サラで募集されていて半兄レッドアヴァンティは芝1,200-1,400で3勝しています。

中京2R ダ1,800m メイショウオオコ(牡3/荒川) 団野騎手

中団から内をこじ開けてきて勝利。2着のメイショウコナン(牡3/荒川)でメイショウ&荒川厩舎のワン・ツーフィニッシュ。2歳11月にデビューして京都のダート1,400m戦で7着。ダートの短いところを使われていましたが2走前から距離を伸ばして14戦目での勝ち上がりとなりました。

父メイショウボーラー 母デンコウミニオン(母父メイショウサムソン)という血統の浦河町の磯野牧場生産馬。叔母に重賞3勝でヴィクトリアマイル2着の実績があるデンコウアンジュがいる血統。母系に重めの欧州系の血が並ぶ中でメイショウボーラーを掛け合わせてダートの中距離馬が出てきました。

中京4R ダ1,400m アンナバローズ(牝3/辻野) 岩田望騎手

ハナを切ると直線でも後続をぐんぐんと突き放し、最後は3.1/2の差をつけての快勝。2歳9月にデビューして新潟芝2,000m戦で6着。2走目で取り消しがありましたが、芝ダート問わず芝1,400m-1,600mで2着2回、3着2回がありましたが7戦目での勝ち上がりとなりました。

父ロジャーバローズ 母ロック(母父Lawman)という血統の浦河町の三嶋牧場生産馬。猪熊オーナーの所有していたダービー馬ロジャーバローズの産駒ということで預託生産の馬でしょうかね。母はフランス生産馬で叔母はG3グラッドネスS3着。重めのモンジューを持ちながらもInvincible Spiritやマキャベリアンなどスピード系の血も持っています。ダートに向く血統には見えませんが、不良の高速馬場も向いたのかもしれませんね。

中京6R 芝2,000m オメガナビゲーター(セン/安田) 岩田康騎手

後方からのレースでしたが、最後の直線では内外に大きく広がった中で真ん中から伸びて勝利。3歳1月に京都ダート1,800mでデビュー。1番人気になるも7着。2走前から芝の長いところを使い出し、前走は11番人気3着。今回8戦目での勝ち上がりとなりました。

父スクリーンヒーロー 母ミスラゴ(母父Encosta de Lago)という血統の社台F生産馬。母はフランスのG1ロイヤルオーク賞で2着。2代母Athykaはフランスで重賞6勝。おじにはG1オークローンH勝ちのAtticusがいる血統。全兄のバックスクリーンはDMMで募集されてこちらも騸馬になっており、気の悪さがるのが難点ですね。

札幌3R ダ1,700m サンキャメロン(牝3/上原博) 横山武騎手

2番手からレースを進めると最後は2着馬に迫られながらも押し切って勝利。2歳10月に東京のダート1,600mでデビューして3着。通算で2着1回、3着が5回ありましたが10戦目での勝ち上がりとなりました。

父アニマルキングダム 母カグラヤルージュ(母父ヨハネスブルク)という血統の日高町の浜本牧場生産馬。3代母アルヴェーダは英国産で米の芝重賞を2勝。父アニマルキングダムはJBBS静内に2020年に導入されるも21年産はJRAでは5頭のみの勝ち上がりと厳しい現状。

札幌4R 芝1,200m ブライティアダイヤ(牝3/稲垣) 永野騎手&スウィートリワード(牝3/宮本) 浜中騎手

内外離れてのゴール前の大激戦となりましたがまさかの人気薄同士の同着決着となりました。ブライティアダイヤは3歳1月に中山芝1,600mでデビューして6着。芝では安定した成績を残しており7戦目での勝ち上がり。スウィートリワードは2歳10月に京都芝1,600mでデビューして5着。芝2,000mなどにも挑戦していて通算2着3回、3着2回ありましたが11戦目での勝ち上がり。

ブライティアダイヤは父サトノアラジン 母ブライティアナイル(母父アドマイヤベガ)という血統の平取町の雅牧場生産馬。母系には懐かしの「ダイタク」の名前が並びます。

スウィートリワードは父カリフォルニアクローム 母レディハピネス(母父モンジュー)という血統の新ひだか町の前川勝春牧場生産馬。2代母はオークス馬レディパステル。こちらはピンクタートル系の名血ですね。

札幌5R ダ1,700m イーブンナウ(牝3/田中克) 長浜騎手

ハナを切るも3コーナーでは3番手に後退。ただそこからズルズル後退せず、逆に4コーナーで盛り返すと最後も上がり最速の脚を使って勝利。2歳11月に京都芝1,200mでデビューして4着。ダート1,200m戦での3着が1度ありましたがなかなか結果が出ず、前走再び芝に挑戦するも大敗。しかしながら今回は巻き返して8戦目での勝ち上がり。12番人気の人気薄でした。

父Catholic Boy 母イヴニングコール(母父Tapit)という血統の米国産馬でサンデーRで2,800万円の募集。叔母のConstellationがG1ラブレアS勝ち。母はノーザンFでその後導入されて下もサンデーで募集されています。外国産馬ということで牝馬限定戦を使えないという不利がありましたが、まずはしっかり勝ち上がりを決めました。

今年はまさかの1着同着もあり18頭が勝ち名乗りをあげました。

最少キャリア 3戦目

最多キャリア 14戦目

とかなり差が出ましたが、キャリアが浅い馬はまだまだ秘めたるポテンシャルがあると思いますし、キャリアを重ねている馬は9戦目で勝ち上がったブローザホーンのような例もあるのでこれからの成長力次第で十分上でもやれる馬になる可能性もあります。

そしてクラブの馬は社台RH1頭、サンデーR1頭、インゼル1頭、東サラ2頭と5頭がラストチャンスをものにしました。特に東サラの2頭はどちらも高額な募集馬でしたし、出資者の方からするとこんなにヒヤヒヤさせるなよ…というところもあるかもしれませんね。

ただ今回の18頭の中で1番ポテンシャルが高そうなのはその東サラのレッドアレグロでしょう💡ほぼ持ったままで8馬身突き放した訳ですから、1勝クラスはあっさりなんてことも十分考えられますからね。もしかすると来年の今頃にはOPクラスになっているかもしれませんよ!

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