葵ステークス 京都 芝1,200m
勝ったのは横山和騎手騎乗の8番人気ピューロマジック(牝3/安田)でした。17番枠からスタートを決めるとそのままハナへ。番手のペアポルックスに詰められながらも最後の直線では引き離して見事な逃げ切り勝ち。逃げて上がり3F33秒台を出されては後ろの馬はキツイですね。結局道中の通過順位通りに1-3着までが決まりました。
父アジアエクスプレス 母メジェルダ(母父ディープインパクト)という血統。父の産駒のJRA重賞制覇は初✨現役時代は芝初挑戦の朝日杯FSでG1を制覇して、その後はダートの重賞でも活躍した二刀流の馬でした。キャリアの後半は怪我もあったので順調に使われていたらもっと活躍できた馬でしょうね。母系は母自身がファンタジーSの2着。全兄メディーヴァルはダートで3勝して千直の韋駄天S(OP)を勝利。半兄バグラダスも芝とダートで通算3勝と活躍している母系。母譲りのスピードで芝ダート問わない活躍を産駒はしていますね。
しかし2勝馬で前走もリステッドで2着だったのに8番人気はちょっと人気を落としすぎでしたね。
目黒記念 東京 芝2,500m
勝ったのはモレイラ騎手騎乗の1番人気シュトルーヴェ(セン5/堀)でした。ダービー後の名物レースになりつつありますが、その興奮の余韻が残る中でのレース。後方3番手からレースを進めると最後の直線では大外に持ち出されて1頭だけ上がり3F32秒台の末脚で差し切り。ハンデ戦らしい混戦でしたが人気に見事に応えて重賞連勝となりました。
父キングカメハメハ 母アンチュラス(母父ディープインパクト)という血統。母は重賞2着の実績。半兄アンティシペイトも重賞3着。叔母のワンダーレディアンデルがCCAオークスの勝ち馬という血統。
ここまでの5勝の鞍上がM.デムーロ、M.ギュイヨン、菱田、R.キング、鮫島駿と全部違いましたが、今回もJ.モレイラということで6勝全て違う騎手での勝利という珍しい馬。堀厩舎の馬ということでその時々に来日している外国人騎手を優先的に手配しているのでしょうが、そんな中でも菱田騎手や鮫島駿騎手を起用して結果も残している訳ですから馬自身の力も相当でしょう。
日経賞を勝利しても天皇賞・春を使わなかったということでこの芝2,400m-2,500mへのこだわりがあるのでしょうね。ということは秋はジャパンカップを大目標にということになるかもしれませんね。
日本ダービー 東京 芝2,400m
勝ったのは横山典騎手騎乗の9番人気ダノンデサイル(牡3/安田)でした。道中は先行して3番手、4番手でレースを進めると最後はスローペースの瞬発力勝負に。狭い内側をこじ開けて来ると最後は決定的な2馬身差を皐月賞馬のジャスティンミラのにつけて世代の頂点に立ちました。
重賞初勝利の京成杯ではボロをしながら勝ち、皐月賞はレース直前で鞍上の横山典騎手が違和感を感じて競走除外に。そこから立て直して今回の勝利に繋げた訳ですから厩舎再度の努力の賜物です。安田翔伍調教師は開業から7年目でダービートレーナーとなりました。父の安田隆行氏が調教師を引退された年に父が成し得なかったダービートレーナーに息子がなるというのはドラマがありますね。皐月賞の除外は悔しい思いもあったと思いますが、その選択が間違いでは無かったということでしょう。
母トップデサイルはG1未勝利ですが2着が2度。産駒はコンスタントに活躍しており、父にこの世代が5世代目となるエピファネイアを迎えて誕生したのが本馬でした。エピファネイア産駒は桜花賞をステレンボッシュが勝利したのについでのクラシック制覇。しかも自身が敗れたダービーを息子が制してくれて、2着がその時のダービー馬キズナの産駒でしたから、ここにもドラマがありましたね。
馬主のダノックスにとっても牡馬牝馬通してクラシックは初制覇。マイル、短距離路線では良い馬が出て来るもののなかなかクラシック本番で活躍してくれる馬には巡り会いませんでしたが、ついにという感じでしょう。
生産の社台Fにとっても今年これがG1 4勝目と春シーズン絶好調。オークスや皐月賞は生産馬が最近でも勝利していましたが、ダービー制覇はなんと2010年のエイシンフラッシュ以来14年ぶり。
悔しいのは2着のジャスティンミラノの戸崎騎手でしょう。2週連続で1番人気だったもののどちらも2着と惜しいところで世代の頂点になり損ねましたからね。
さてダノンデサイルは今後どんな道を歩むのか?菊花賞?はたまた天皇賞・秋?まだまだ底を見せていないような感じもありますし、安田調教師のコメントからもまだ万全では無かった様子。果たして万全ならどこまでできるのか?見てみたいですね。