6月の東京の新馬戦でインパクトのある勝ち方をしたキタサンブラック産駒の2頭。クロワデュノールとサトノカルナバルについて血統を見ていきたいと思います。
クロワデュノール(牡2/斉藤崇)
生産:ノーザンファーム 馬主:サンデーレーシング(募集総額5,000万円 1口125万円)
キタサンブラック産駒の王道は母父欧州ノーザンダンサー系かつサンデーサイレンスの血を持たないこと。本馬はその成功パターンががっちりハマっています。母自身もイギリスでG2を1勝&リステッド勝ちがあり、英オークス🇬🇧2着🥈、愛オークス🇮🇪3着🥉という実績があります。
本馬は母19歳の時の産駒で11頭目の産駒と母高齢でリスクたっぷりな感じ。上の成績もアースライズがフラワーカップ2着、マーメイドS、愛知杯3着があるもののそれ以外は目立った成績の馬はおらず、ちょっと5,000万円でも高いかなぁ?という印象だったのですがオークス馬チェルヴィニアの弟アルレッキーノを突き放しての勝利でした。
まだ新馬を勝っただけと言えばそうなのですが、関西馬ながら遠征して新馬勝ちをした訳ですから次は重賞も十分狙えるだけの器なのでは無いでしょうか?再び東上して東スポ杯2歳Sか?関西で使うのか?
サトノカルナバル(牡2/堀)
生産:ノーザンファーム 馬主:里見治(2022年ノーザンファームミックスセール9,240万円)
こちらは王道とはちょっとズレるのですが、母系はNijinskyとNureyevを持っておりノーザンダンサー系が2本入っていて母リアリサトリスはフランス生産🇫🇷の欧州型の血統です。実績的にはリステッドでの入着があるもののビッグレースでの勝利はありません。
こちらは母14歳で9頭目の産駒と高齢に差し掛かるところで誕生。全兄ジャスティンスカイはリステッドの洛陽Sを制しておりJRA通算6勝。それ以外にもJRAで3勝を挙げている兄が2頭いて、上は着実に勝ち上がっている血統です。
デビュー戦は芝1,400mでしたが2着につけた着差は7馬身と短距離のレースではなかなかない着差がつきました。血統だけ見るともっと長い距離でも良さそうですが、兄のジャスティンスカイの勝ち鞍は芝1,200m−2,000mで上のクラスでは1,200m、1,600mのレースを制しているようにスピード寄りに出るのかもしれませんね。となると次走はサウジアラビアRCか京王杯2歳Sかと思っていたら今日の函館2歳Sに出走💡距離短縮で2連勝を狙ってきました!
そしてわざわざ函館まで連れて行ったレースをしっかりと勝利してデビュー2連勝。キタサンブラック産駒初のスプリント重賞制覇となりました。
この世代はキタサンブラックの4世代目でまだ一応谷間の世代に入るのですが、今の所の2歳勢の勢いを見ていると全くそんな感じがありません。もちろん重賞、G1に行ってどうなるか?という問題は残りますが、まずは高いポテンシャルを発揮したということは明るい材料ですし、V字回復世代となる5世代目の活躍はさらに楽しみですから1歳馬募集はコントレイルやエピファネイアに隠れがちですがキタサンブラックから個人的には目を離せません。
しかも今回の2頭の母はそれなりに高齢の部類に入っていて産駒数もそれなりに残している母。特にライジングクロスは19歳で11頭目の産駒ですが初めてのキタサンブラックとの配合で面白そうな馬が誕生しました。そう考えると母高齢で人気が落ちるなら盲点的に取れる可能性がありますし、キタサンブラックとの配合が初めてならきょうだいの成績もそこまで気にせずに申し込んでみるのもありかもしれませんね。