11月にシルクの2頭の馬が屈腱炎で引退、種牡馬入りとなりました。
まずは7歳馬プロミストウォリアです。3歳の3月に未勝利戦のダート1,800mで既走馬相手にデビューして快勝。その後2戦して勝利を挙げられずに骨折で離脱。5歳の秋に復帰すると1勝クラス→2勝クラス→3勝クラスと条件戦を連勝。明けて6歳になった2023年1月に東海Sを制して重賞初制覇。4月にもアンタレスSを制して5連勝としました。その後は帝王賞に挑戦するも5着。その後は状態が上向かず、復帰が今年のエルムSでしたが7着。そして前走のみやこS15着後に屈腱炎を発症し引退となりました。繋養先はブリーダーズスタリオンステーションになるようです。
父マジェスティックウォリアーはエーピーインディ系の種牡馬で現在イーストスタッドで繋養中で180万円の種付け価格。ただ年齢も20歳になりますしそろそろ引退も近づいている種牡馬。後継には米国時代の生産馬のベストウォーリアがいますが、最近でも東京ダービー馬ラムジェット、川崎記念の勝ち馬ライトウォーリアなどが出ています。
母プロミストパークはJRAで芝ダートで5勝。姪にあたるプロミストジーンが新馬、オキザリス賞と連勝で2戦2勝。しかも牡馬相手に強い競馬をしたということで注目されています。ちなみにその下には出資させてもらっています。
本馬は無事に使われていたらダートであと1つ、2つ重賞を勝てたでしょうし、たらればを言うならば5連勝の勢いの時に帝王賞を勝てていれば…と言うところでしょうか。
ただ本馬はシルクの馬ですが坂東牧場生産で募集価格2,000万円ということで今考えたら超優良案件✨出資者の方はこれだけ稼いでくれた馬がさらに種牡馬入りのお金も入ってくる訳ですから馬主孝行ですね。
もう1頭は5歳馬ブラックブロッサムです。キタサンブラックの初年度産駒の1頭で3歳1月の中京芝2,000mでデビューして勝利。その後3月の大寒桜賞では後続に8馬身の差をつける圧勝劇。その際の3着が後にラジオNIKKEI賞を勝つフェーングロッテン(牡5/宮本)でした。3連勝を狙って京都新聞杯に挑むも5着に敗退。しかし、7月に古馬相手の2勝クラスを制して菊花賞も狙えるか?というところでしたが屈腱炎を発症し、復帰は今年の6月と約2年かかりました。ただ、その約2年ぶりのレースである京都芝2,200mの保津峡ステークスを勝利してオープン入りを決めました。しかしながら立ち上げようとしていた矢先の11月に右前の屈腱炎を発症。前回は左前でしたが今度は逆脚。再び長期の離脱となること、そしてポテンシャルの高さから辻牧場からの種牡馬入りのオファーがあったことから引退して、スタッドインとなりました。
父キタサンブラックは種付け価格2,000万円、その後継で本馬の同期のイクイノックスも2,000万円と超高額の種付け価格。その代替としての役割が期待されてのスタッドインでしょう。怪我の多い現役時代でしたが、通算5戦4勝とこちらもまだまだ底を見せておらず重賞タイトルにも手が届くだけの力を持っていた馬だったかもしれません。
母ポーレンは愛国産で重賞勝ち馬。産駒は重賞勝ち馬は出ていませんが、ステイゴールド産駒のムーンライトダンスが3勝。ジャスタウェイ産駒のポレンティアが2勝でフェアリーS3着。そして4勝の本馬と母としてはまずまずのポテンシャルを示しています。
2代母のOn Airの父Chief Singerがあまり見たことのない血が多く入っており、OrpenもDanzig系ではあるもののノーザンダンサーも遠くそこまで主流系では無いので配合的にもほぼクロスを持たず、どんな配合とも組み合わせやすいのが特徴。ダートがどうか?というところはありますが、キタサンブラック産駒はフレンチデピュティの血などが入るとダートでの活躍馬も出ていますし、530kg近い大型馬ですから配合次第ではダートの可能性もあるかもしれません。特にこれだけ脚元に気を遣う必要のある馬の子となるとそのあたりも気にしてダートからということもあり得そうですからね。
同じようなパターンで成功した種牡馬はシルバーステートです。現役時代は怪我に泣き、こちらも5戦4勝で未完の大器と言われていましたがディープの代替ということで種牡馬入りすると重賞勝ち馬を多数輩出して種付け価格は500万円まで上がりました。第二のシルバーステートになれるでしょうか?