先週は高松宮記念のトライアルであるオーシャンS。桜花賞のトライアルであるチューリップ賞。皐月賞のトライアルである弥生賞ディープインパクト記念とトライアル祭り。そして新人騎手がデビューして、名伯楽たちが引退していく週でした。
オーシャンステークス 中山 芝1,200m
勝ったのは横山武騎手騎乗の1番人気トウシンマカオ(牡5/高柳瑞)でした。騎乗予定だった菅原明騎手がまさかの盲腸で乗り替わりとなりましたが、中団からレースを進めて直線は外に持ち出すとサッと突き抜けて勝利。年末の京阪杯からの連勝で重賞通算3勝目となりました。
祖母のサスペンスクイーンはWoodman産駒の持ち込み馬で芝1,000m-1,200mでJRA3勝を挙げたスピードタイプの馬。そして母のユキノクイーンはスペシャルウィーク産駒で芝1,800m-2,000mでJRA4勝と父の特徴をしっかりと出している母系。そして本馬は父ビッグアーサーでスプリント重賞3勝。父の後継としては今回のレースでも2着だったビッグシーザーと双璧を成しています。貴重なサクラバクシンオーの直系ですから、無事なら種牡馬入りは間違い無いかな？あとはG1タイトルに手が届くかどうかですね。
チューリップ賞 阪神 芝1,600m
勝ったのは武豊騎手騎乗の5番人気スウィープフィート(牝3/庄野)でした。後方3番手からのレースでしたが直線に入ってから前にいる13頭をごぼう抜き。祖母スイープトウショウを思い起こさせる末脚を発揮して重賞初制覇。見事に桜花賞への切符を手にしました。
これまで5戦は永島まなみ騎手が手綱を取って来ましたが、1勝Cそして前走のエルフィンSと僅差の2着があるものの賞金を加算できていませんでした。乗り替わったからどうのこうのと言う気もありませんが、結果が出て良かったですよね。ただ既に6戦消化。桜花賞でどれだけのお釣りが残っているかは不安ですね。
この世代が初年度産駒で物凄い勢いで勝利を重ねたスワーヴリチャードを父に持ちます。なぜかスワーヴリチャードの重賞勝ち馬はコラソンビート、レガレイラ、そして本馬と牝馬に偏っています。しかも牡馬混合の重賞を2つは勝っていますからね。
祖母のビジュートウショウJRAでの勝利は無いものの地方での交流の未勝利戦を勝利。産駒のビジューブリランテはコスパが良さそうだったので知人におすすめした記憶があります。そして代々ボトムラインにはトウショウの名前が刻まれている土着の血統です。中でも祖母のスイープトウショウは稀代の個性派。牡馬相手に宝塚記念を勝利した名牝で池添謙一騎手との名コンビで有名でした。そんな祖母もチューリップ賞を勝利しているので孫・祖母での世代を超えた制覇です。祖母の場合は桜花賞5着、オークス2着、秋華賞1着と春はタイトルに手が届きませんでした。祖母のリベンジなるかですね。
そしてYGGオーナーズクラブとしてもクラブリニューアル後は芝の重賞初勝利です。ダートではドライスタウトがG1を勝利していますが、芝は前身のブルーマネジメント時代のブルーショットガンが勝った2006年の阪急杯まで遡ります。松永幹夫騎手(現調教師)が引退の日に勝利した伝説のレースですね。決して人気クラブという訳ではありませんが、世代に1頭は上の条件まで勝ち上がる馬が出ていますし、募集の規模を考えると打率は悪くないかもしれません。これは人気がUPするかもですね！
弥生賞ディープインパクト記念 中山 芝2,000m
勝ったのはM.デムーロ騎手騎乗の6番人気コスモキュランダ(牡3/加藤士)でした。後方からレースを進めましたが、3コーナーでは3番手、4コーナーでは先頭に並びかける勢いで長く脚を使って重賞初制覇。父アルアインにとっても産駒重賞初制覇となりました。
父アルアインはこの舞台と同じ皐月賞、そして古馬になって大阪杯と芝2,000mのG1を勝利。ディープ産駒らしいキレる脚よりも持続力を持った母の特徴が出た馬でした。
母のサザンスピードはオーストラリアでコーフィールドCを制したG1ホース。母父のSouthern ImageはHalo系の種牡馬で現役時代はアメリカでダートG1を3勝。なかなか馴染みのない種牡馬ですが、サンデーサイレンスを通らないHaloのインクロスが発生しています。まだまだアルアインの成功例が少ないのでこれが成功パターンなのかは分かりませんが、まさか最初の重賞勝ち馬がビッグレットファーム産になるとは思いませんでした。
弥生賞も上位人気馬はシンエンペラー以外は良いところ無し。これでますます皐月賞が混迷を極めて来ました。それこそ本当に牝馬のレガレイラに持って行かれてしまうかもしれませんね。
