地方交流重賞振り返り【川崎記念 & 兵庫女王盃 & 東京スプリント】

  • 2024年4月10日
  • 競馬

今年から4月のナイター開催となった川崎記念。例年だと1月下旬から2月上旬開催でしたがこれでちょうど東京大賞典、帝王賞の間に開催され、古馬中距離路線の馬が集まりやすくなります。もちろんドバイに向かう馬もいるでしょうから、そことの兼ね合いは今後も課題ですね。

そんな一戦を制したのは南関東所属のキャロットのライトウォーリア(牡7/内田(川崎))でした。

3日の川崎競馬ではまずまずのスタートから促していき、先手を奪う形でレースを進める。好位で勝負どころを迎えると、直線では粘り込みを図って優勝。「ありがとうございました。交流重賞では歯痒い競馬が続いていましたが、今回の状態はこれまでとは比較できないほど良くなっていました。返し馬から反応が良かったので、気合いを出し過ぎないように意識しながらレースに備えました。前回のレース経験が活き、今回はかかり過ぎることなく、スムーズな競馬ができましたね。4コーナーで捲り気味に来たところを振り切れた時点で勝利を確信できました。地元の代表馬で川崎記念を勝つことができて本当に嬉しいです」(吉原騎手)「状態に関しては文句ないと見ていましたので、あとはスムーズな競馬ができるかどうかだけでした。そのうえで枠順や馬場、展開など全てがライトウォーリアに味方してくれましたね。鞍上もスタート後はソーッと出していき、上手く折り合いを付けてくれました。今回は吉原の好騎乗がなければ勝つことはできませんでしたから、本当によくやってくれました。調教師として川崎記念を勝つのは初めてでしたから、直線では心臓がドキドキしましたよ。改めて今日までご声援を送り続けてくれた会員の皆様には感謝しかありません。ありがとうございました。ここは究極の仕上げと自負しておりましたので、さすがに疲労はあるでしょう。いったん放牧を挟み、回復具合を見た上で帝王賞へ向かえるかを判断したいです」(内田師)施行時期が変わったこともあり、今期最大の目標レースに設定してローテーションを組んできました。思惑通り、最高の状態で送り出すことができた上に鞍上が上手くエスコートしてくれました。交流重賞では悔しい結果が続いていただけに本当に嬉しい勝利です。この後についてはミッドウェイFへ戻っての状態を確認してから最終的に判断していきたいと思います。

中央でもOP特別は制していますが、OPクラスでは地方交流も含めて9戦1勝と苦戦していたこともあり、出走機会を得るために2022年夏に南関東に移籍。栄冠賞、勝島王冠、報知オールスターカップを制してついにJpn1を制覇となりました。

父マジェスティックウォリアー 母スペクトロライト(母父ディープインパクト)という血統。従兄弟に青葉賞、京都2歳Sを制したワンダフルタウン。叔母に紫苑Sを制したビッシュがいます。祖母のバランセラはフランス産でG1での2着が2回。母系は完全に芝ですが、そこからダートのJpn1勝ち馬を出すのはさすが父マジェスティックウォリアーですね。地方馬がグレード競走を勝利することはありますが、最初から地方所属の馬ではなくてこうやってJRAである程度の結果を出してから地方に移籍した馬の方がチャンスがあるのかもしれませんね。

ダートグレード競走の体系変更に伴いTCK女王盃から名称、競馬場も変更となり開催された、第1回兵庫女王盃。その記念すべきレースを制したのは岩田望騎手騎乗の3番人気ライオットガール(牝4/中村直)でした。極狭の競馬場でコーナーを6回周るレースを見事に逃げ切りました。

父シニスターミニスター 母マリアビスティー(母父ハーツクライ)という血統。これでダートグレード競走は3勝目。昨年の阪神での牝馬限定の3歳1勝クラスでは出資馬のキープスマイリングが4着、本馬が3着と接戦を演じていました。そう考えると現在故障療養中のキープスマイリングも復活してくれれば十分重賞レベルでもやれる存在になれるのでは無いでしょうか?

秋の大目標でJBCレディスクラシックになると思いますが、今年は佐賀の1,860m。佐賀での開催は初となりますが、ちょっと特殊な競馬場でもありますし、うまく適応できるかどうかですね。

勝ったのは大井の西騎手騎乗の5番人気ジャスティン(牡8/坂井英(大井))でした。4、5番手からレースを進めると早めに先頭に立って押し切り。このレースは2020年以来の勝利で重賞4勝目。さすがは元JRA所属馬という力を見せつけた形になりました。

父オルフェーヴル 母シナスタジア(母父 Gone West)という血統。色々なタイプを出す父オルフェーヴルの産駒の中でも珍しいダート短距離に特化したタイプの馬です。

2021年、2023年とサウジアラビア、ドバイにも参戦した日本を代表するダートスプリンターでした。8歳となり世界を舞台に活躍となるとなかなか難しいところがあるかもしれませんが、交流重賞ではまだまだ力上位であることが今回で証明されました。

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